卒業式に寄せて(校長室だより)

2023年3月25日 17時45分

 3月23日(木)、卒業式を挙行いたしました。卒業証書を全員に手渡し、6か年の教育課程を修了したことを伝えました。

 

 私自身、これまで一度しか経験した覚えのない雨の中の卒業式。保護者の皆様、ご来賓、関係者の皆様には、足元の悪い中、ご来校いただき、誠にありがとうございました。卒業生の皆さんも、素敵な衣装を身にまとっての一生に一度の小学校の卒業式だったのに、あいにくの天気であったことが少し残念です。でも式が終わった頃には奇跡的に雨が止み、お見送りの後の束の間の時間を正門付近で過ごすことができたのは幸運でした。

 

 卒業式前日、6年生にも職員にも「本番にしか起こらないアクシデントはきっとある。それは失敗でも何でもないから、しまったと思わず、堂々と、そして臨機応変に対応を。」と話していました。すると、本番直前に案の定、きっと久枝小では起こったことがないであろうスクリーンの不具合に見舞われました。下ろしたのはよいが、間違いなくうまく巻き上げられないことが、卒業生入場直前に発覚。近くの職員で応急処置をしましたが、開始が3分遅れ、式が始まっても、ステージに映像を映す際にはお見苦しい点が多々ありました。

 そして、校長のあるまじき失態。卒業証書授与の際、6年生は全員マスクをはずして受け取りに来ました。この2年間でほとんど見たことのなかった、子どもたちのマスクを外した素顔に心動かされていたのが大きな理由ですが、一人一人に証書を手渡すとき、それぞれの子どもと直接関わってきた出来事が頭を駆け巡り、せっかくの素顔がにじんで見えてしまうことが何度もあり、子どもたちを戸惑わせてしまったことと思います。式辞を読むときも感情を抑えるのに必死でした。職員には、我慢していたことも我慢し切れなかった瞬間もばれていましたが。

 会場の皆様や卒業生の皆さんに、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

 

 卒業生と在校生の「門出の言葉」は圧巻で、会場の皆様に大きな大きな感動を呼びました。久枝小の子どもたちの歌声は伝統的に実にすばらしいと自信をもって言えるのですが、それを惜しみなく披露することができました。それ以上に、一人一人が、また学年全員が、強い思いのこもったメッセージを力の限り届けていたことに、何より心打たれました。ふさわしい言葉も思い付かないほどにすばらしかったと思います。

 

 今回、運動場を卒業生保護者の方の駐車場として開放しました。当初なかった計画を直前に決めたのですが、本部役員の皆様がすぐに対応してくださり、本番当日も滞りなく交通整理等を行ってくださいました。また、雨のため深く轍が残った運動場も、スポーツ少年団の皆様が整地してくださいました。

 たくさんの方に支えていただきながら、無事に卒業式を終えることができました。心から厚くお礼申し上げます。

 

 卒業生の皆さん、本当におめでとう!

 久枝小という「井戸」から一段と大きな世界に踏み出しますが、自信と勇気をもって、確かな一歩を刻みながら、大きな青空の高さ、深さにふれてください。

 皆さんに出会えて心から幸せでした。新天地での活躍を祈っています。

 

~未来へ向かって最高の一歩~(校長室だより)

2023年3月19日 13時00分

 全国各地で桜の開花宣言が発表され始めました。久枝小学校のソメイヨシノも、ついに一輪、花開きました。(3月18日現在)

 

 第2児童クラブ前のヤマザクラはすでに開花宣言を発表してもよいほどにいくつもつぼみがほころんでいましたよ。モクレンはすでに満開。鳥がうれしそうに声を上げていました。

 

 以前紹介した、一鉢だけ咲いていたサクラソウは、今は数え切れない花を集めています。パンジーやビオラ、クリサンセマムやチューリップも、卒業式や入学式に彩りを添える役目に向けて準備万端です。 

 

 さて、去る3月10日(金)、6年生を送る会「6年生ありがとう集会 ~未来へ向かって最高の一歩~」を、4年ぶりに全校児童を体育館に集めて行いました。長い長いトンネルを抜け、何もかもが明るく、まぶしくこの目に映る。まさにそんな幸せなひとときが、ついに帰ってきました。歴史が動いたかのような気分でした!

 

 かつて、準備の大変な全校集会などがあるときは、前日の部活動や夜間体育の活動を控えていただき、教職員が総出で準備をするというのが、いつもの慣わしでした。子どもたちの力を借りて準備した後の最後の仕上げを我々で行うのです。今回、その光景が戻ってきました。教職員みんなが協力して、たくさんの掲示や装飾を行ったり、放送の機材準備やチェックを行ったりしました。

 集会のサブテーマ「未来へ向かって最高の一歩」という言葉が、体育館中央に張ったロープの端から一文字ずつ滑り出てくる、という演出を5年部の先生たちが考えており、その設置や練習も時間をかけて行いました。何度も失敗し、急きょ新しいロープを購入しに走り、ロープのたわみ具合も調節し、試行錯誤を繰り返しました。そして迎えた本番、全校児童の前で、6年生の前で、サブテーマの登場が見事成功したとき、すでに私は泣いていました。

 

 集会本番は、ハプニングの連続でした。タブレット端末の不具合でBGMがかからないトラブル、練習したどおりの演技を披露している各学年の代表児童のせりふが面白いあまり、他学年の子らの歓声にかき消されてしまって6年生に届かない事態の連続。しかし、これら全てが「集会あるある」で、出し物の練習を頑張ってきた各学年の子らや先生方に申し訳ないけれど、残念という気持ちよりも懐かしさの方が大きく、4年前までの記憶が一気によみがえり、例えようのない喜びがこみあげてきて仕方がありませんでした。

 

 集会後の「バルーンリリース」もまた、感動的なものでした。PTA会長様はじめたくさんの皆様のご尽力により、今年も子どもたちにとってかけがえのない思い出ができました。こんなすばらしいイベントをプレゼントしてくださったこと、心からお礼申し上げます。

 リリース前に6年生のそばに行くと、ペンを持っていた子がたくさんいて、どの子も風船に何かを書いていました。それは自分の夢や目標のようでした。そうか、自分の夢を風船に託して、大空へ高く舞い上がらせるのか。そんなすてきな光景を見たからでしょうか、この子らもあと少しで久枝小から飛び立ってしまうという思いも重なり、リリースして何百もの風船がいっせいに青空を彩った瞬間、また涙があふれてきました。

 リリース後の校長からの一言の際、恥も外聞もなく歌いましたが、その理由は、この集会での大きな喜びを含め、いくつもの感動的な出来事がこの日重なったからです。、周囲の迷惑を顧みず歌ってしまったこと、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

 

 「止まない雨はない」「明けない夜はない」

 まだ、終息宣言はされていないから、もちろん油断なく対策を講じていかなければなりませんが、久枝小学校、久枝っ子にとって、3月10日は文字通り「未来へ向かって最高の一歩」であったと思います。これまで3年間、閉ざされた学校生活を強いられた先輩たちの思いを忘れず、この一歩を大切にしていきたいと思います。

 

金賞、おめでとう!(校長室だより)

2023年3月7日 13時20分

 2月23日(木)、「響け!!言霊“ことばのがっしょう”群読コンクール」という大会が、4年ぶりに参集の形で行われました。

 

 その大会で、なんと!我が「スペシャルクスノッキー」(演劇・ダンスクラブ)は見事金賞を受賞しました!金賞というのは、グランプリに次ぐ賞で、中学生もいる出場団体の中で第2位、準優勝というすばらしい結果です。

 

 子どもたちは、題材とする詩を自分たちで選び、時間を惜しんで練習を重ね、本番に臨みました。私も何度か練習風景を見に行きましたが、なかなかよい出来栄えで、大会直前はいい感じに仕上がっていました。一次の動画審査を通過したことがとてもうれしかったので、本番に出場できるだけで十分と満足していました。その程度の評価しかしていなかった自分を深く反省します。

 本番の子どもたちは、恐ろしくすばらしかった!声の大きさも合わせ方もバッチリで、感動を届けるに十分な群読に、私は鳥肌が立ちました。その発表が見られただけで満足でしてしまって、結果発表は少し気楽な気持ちでいました。が、「金賞……、エントリーナンバー…2番!」と、本校の番号が発表されたときには、腰を抜かし、驚きの雄たけびを上げてしまいました。子どもたちの中にも、発表の瞬間、歓喜の声を上げる子、泣き崩れる子がいて、それこそテレビでよく見る受賞の瞬間の子どもたちの悲鳴、その光景がまさにここにありました。

 たくさんのすばらしい思い出を久枝っ子の皆さんからもらった令和4年度、この日もまた一つ大きなかけがえのない思い出をプレゼントしてもらいました。

 この思い出を振り返るとき、昔、久枝小で一緒に働いた先生が子どもたちによく言っていた言葉を思い出します。その言葉を、最後まで寄り添って指導をしてきた先生と、先生を信じて仲間と心を合わせて偉業を成し遂げた子どもたちに贈ります。

 

 「正しい努力は 報われる!」

 

 

3月に思うこと(校長室だより)

2023年3月4日 17時20分

 3月になりました。もうすぐ春。朝起きた時電気をつけないと何も見えなかった真っ暗な部屋も、いつの間にかうっすら明るくなっていことに最近気付きました。桜のつぼみも、この頃にはちゃんとふくらんでくるのですよね。

 

 この時期になると、回りの人たちがそれまでより優しくなるような気がしてしまいます。今年もそう。校内を巡回して授業の様子を見ているときも、私の存在に気付いた子の笑顔がさらにすてきであったり、朝の挨拶の声がさらにあたたかかったり。最近一番感じるのは、給食当番の交通整理で立っているときに会釈をしてくれる子どもたちの顔がとてもとても優しいことなのです。

 なぜなのでしょう。これまで1年間、仲間とともにいろいろなことを頑張り、辛いことも乗り越えてきた今、その充実感に浸りたい、という気持ちが子どもたちの中に生まれているからでしょうか。いや、中にはそんな気持ちじゃない子だってきっといる。まだまだやり残したことがたくさんあって、それをこなすのに必死で、振り返る暇もまだない子だって。今、まさに苦しい気持ちの絶頂期の子も。ただ、どの子にも共通して言えるのは、「終わりの瞬間」が近いということ。今の教室で、今の仲間たちと過ごす時間はあと3週間しかないという事実です。様々な思いを抱える中、残された時間を穏やかな気持ちで過ごしたいという思いがどの子にもあるからなのかもしれない。だから、みんな優しいのだ。そう思いたいものです。そして、今の忙しさや苦しさは、いつまでもは続かないよ、とその笑顔に伝えたいと思います。

3月、みんな、頑張れ!

 

 ただ、私は、3月の春は嫌いです。教師になってからずっと。誰かと必ず別れないといけないから。これまで数え切れない出会いと別れを繰り返してきましたが、いつまで経っても、人と別れることに慣れません。毎年、それが宿命だと割り切ろうとしますが、もちろんできません。そんな悲しい気持ちを、毎年、癒してくれるのが、子どもたちのこの優しい笑顔なのです。「おセンチ」になっている私の心をもしや察して、慰めの笑顔を贈ってくれているのかもしれませんね。

 残り少ない日々、子どもたちのためにやろうと思いついたことは全部やり切れるよう、私も努力します。

 

忘れられない10分間(校長室だより)

2023年2月1日 15時34分

 「1月(ちがつ)は行く(く) 2月(がつ)は逃げる(げる) 3月(んがつ)は去る(る)」

 私たち教師がよく子どもたちに言う言葉です。ついこの前始業式があったと思ったら、あっという間に2月になりました。

 年が明けてから、寒い日が続きます。暴風雪警報発表に伴い午後停業となった先週火曜日のマラソン大会の日以降、日中もなかなか気温が上がりません。学校でも、換気を徹底する中で暖を取らねばならず、快適な環境をつくることに苦慮している日々です。

 

 先週の金曜日のこと。午前中雨が降る予報でした。案の定、1時間目が終わった頃、すさまじい音が聞こえてきたので、すごい雨が降り出したと外に出てみました。すると、音の正体は雨でなくあられ。火曜日の暴風雪同様、このあられも辺りを一瞬で真っ白にしました。しかし、すぐに雨に変わり、小さな氷の粒はほとんど溶けてしまいました。

 

 あっという間の出来事でしたが、松山では珍しい光景です。それを写真に収めようと玄関先でカメラを向けていると、私と同じ思いをもっていたのか、南校舎の子どもが二人、屋外通路に下りてきました。寒さや冷たさに声を上げながら、地面に残ったあられの粒を拾ったり雨に混じった氷を捕まえようとしたり。その後仲間も増え、みんなが空を見上げていたので、そのシーンもパチリ!

 

 何でもない一日の短い休憩時間。そのときにあったこのちょっとした出来事も、もしかすると彼女らにとっていつまでも忘れられない思い出として心に残るのかもしれません。こんな小さな思い出も含めて、自分のクラスの友達や先生と過ごす時間を大切にしてほしいと、もうすぐ一年が終わる3学期のこの時期だからこそ、強く思います。

 

 そんなことを、この子たちから感じさせてもらった10分間でした。

 

 令和5年度新入生の保護者の皆様も、本日の就学児保護者説明会にご来校くださいまして、誠にありがとうございました。

 

 希望と寂しさが去来する春が、少しずつ少しずつ近づいています。

この二日間のお礼とお詫び(校長室だより)

2023年1月25日 19時38分

 新年のご挨拶もこの場で述べていないのに、もう1月が終わりそうです。時の流れは実に速いものです。今年はこれまでで一番速く感じられます。毎年こう感じるのは私だけでしょうか。

 

 さて、昨日は校内マラソン大会に多数ご参集くださいまして、誠にありがとうございました。よりによってこの冬一番の寒気が押し寄せてきたタイミングでしたが、当初パラついた雨もすぐに止み、全学年、予定通りに実施することができて、本当にほっとしています。たくさんの保護者の皆様が見守ってくださる中、子どもたちも寒風に負けず、練習以上の力を発揮して最後まで走り切ることができたことと思います。応援の際のマナーについてご配慮くださいましたことにも、重ねてお礼申し上げます。

 各学年で1位を獲得した児童の皆さん、また、自己ベストの順位、自己新記録をマークした皆さん、おめでとうございます。残念ながら目指した順位や記録に届かなった皆さん、いつも話しているように、本番までの頑張りにこそ値打ちがあります。勝利した人にはなかなか味わえない「悔しさ」という宝物を、ぜひ忘れずに努力を続けてください。

 全力で頑張る子どもたちの顔つきは、教室では見たことがないものでした。おまけに、マスクをはずしていて、それぞれの全貌がはっきり分かるから、なおさらその真剣さが伝わってきました。

 昨年度は延期後中止したこの行事、今年実施を決めた後の教職員の事前指導や準備はやはり大変でした。しかし、「中止したおかげで生まれる楽さ」より「しんどくてもやることで得られる充実感」の方が、比べ物にならないほど好影響をその後に与えます。この日は、このことを改めて強く強く感じることができました。

 そして、いつか、マスクで覆うことのない、とびっきりの笑顔で触れ合える日が早く戻ってくるといいなぁ、とふと感じた一日でもありました。

 

 さて、まさに5年生が出走する頃に突然発表された暴風雪警報のために、午後停業の措置を余儀なくされたわけですが、その対応についてもご理解、ご協力賜りましたことに、深く感謝申し上げます。

 ただ、Macメールについて、追加のメールを配信したり、その内容がお迎えに来てくださった方に混乱を招く事態となったりしたことなど、情報発信のあり方に問題がありましたことを、深くお詫び申し上げます。今回の経験を確実に今後に生かすよう、検討していきます。

 

 昨夜からの降雪、気温の低下などによる今朝の通学路の凍結は、本市ではめったにないことだと思いますが、保護者の皆様には、お子さんへの安全な通学に対するご指導や学校への同行など、たくさんのご協力をいただきました。また、たくさんの地域の皆様が、通学路の見守りに立ってくださっていました。おかげで、大きな事故なく、子どもたちは無事登校し、一日元気に学校生活を送ることができました。この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。

 

 激動の二日間でしたが、保護者、地域の皆様には、感謝とお詫びの気持ちでいっぱいです。気が付けば、令和4年度の登校日も残り40日となりました。ひと時たりとも気を抜かず、子どもたちとの時間を大切な思い出にかえていきたいものだと思います。

 令和5年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

「ソラマメ」の出前授業を受けられた皆さんへ(校長室だより)

2022年12月27日 14時00分

 終業式が終わって4日目の午後、今の季節にしてはとても強い日差しが照り付けています。朝の寒さを忘れてしまいそうです。

 中庭を歩いていると、6年生が並べた一人一鉢のサクラソウのうちたった一つだけ、花を咲かせている鉢を見つけました。

 久枝小学校では、今日、サクラソウの開花宣言が発表されました!

 

 さて、12月の始め、大寒波が愛媛にも押し寄せてきたちょうどその日、とある男性の方が学校を訪ねていらっしゃいました。

 手には一枚の年賀状。子どもの文字で書かれた年始のご挨拶とメッセージに加え、教室でご本人が5~6名の子どもたちにお話をされている場面の写真が印刷されています。お聞きしたところ、6~7年前に久枝小で行われた3年生対象の出前授業で、「ソラマメ」の育て方についてのご講話をしてくださったのだそうです。写真はその授業の様子を撮影したものとのことでした。

 山本文則さんとおっしゃる方です。

 山本さんは、この3月に「清水一寸『媛の房』」という新しい品種のソラマメを開発し、「品種登録証」(特許のようなもの)を獲得されました。平成6年に、ある特別なソラマメを偶然発見し、28年かけて研究を重ね、今年の春についに新品種として認められるまでになり、農林水産省から登録証をいただくに至ったのだそうです。

 出前授業で食い入るように自分の話を聞いてくれる3年生の子らに感動したことを、今も覚えていらっしゃいました。当時は、まだソラマメの新品種に関する研究の途上だった、というご自身の生業を話したうえで、「なぜそうなるのか、疑問をもったら、それを解決すべく探求しなさい。頑張ったら夢は叶うよ。私も、今調べているソラマメが新品種として認めてもらえるよう頑張る!」と子どもたちに人生のアドバイスをしてくださったのだそうです。この度、この年賀状を見つけたときに「この子らに、私自身の夢が叶ったことをどうにかお伝えしたい。」そう思うといても立ってもいられず、寒い中にもかかわらず、学校まで足を運んでくださった、というわけです。

 山本さんのソラマメは、さやが通常のと比べ物にならないほど大きく、つぶも一つの房に倍以上入るそうです。味もとても甘いので、クリームに混ぜ込んでケーキができると、ケーキ屋さんからそんな評判もいただいていると、山本さんはうれしそうに語ってくださいました。

  「頑張れば夢が叶う。」

 言葉で言うのは簡単ですが、山本さんは夢の実現に28年もかかっています。また、頑張ってもその夢には届かないことだってあるでしょう。でも、「人が夢を捨てることはあっても、夢が人を捨てることはない。」だから、夢の実現に向けて探求する心、姿勢を簡単に諦めたくはない。そんなことを、私自身も学びました。

 

 このお話を、出前授業を受けた当時の3年生にどうにかお伝えしたい、との山本さんの強い思いをお届けしたく、ご本人にご了承いただいたうえで、本ホームページでお知らせしました。

 山本さんのことを覚えてくださっている本校卒業生(出前授業受講者)の方がいらっしゃったら、ぜひ、久枝小学校までご連絡ください!

 

2学期もお世話になりました。(校長室だより)

2022年12月23日 13時29分

  保護者の皆様、2学期も大変お世話になりました。第8波の到来で、この松山市もかなりの感染者数を記録しましたが、保護者の皆様には、兼ねてからの教育活動へのご支援、ご協力はもとより、感染予防対策を含めたお子さんの体調管理等にご尽力くださいましたこと、深く感謝申し上げます。

 

 10月下旬まで、体育館の改修工事のために思う存分学校生活を楽しむということが難しかったのですが、体育館が完成して学校からバリケードが消えた途端、水を得た魚のように、子どもたちは元気はつらつの毎日を送っていました。

 南校舎の工事が終わった時も同様でしたが、完成したばかりの体育館の美しさには、工事関係者の方々の技や丁寧さ、久枝っ子への真心が感じられ、工事中の学校生活の不自由さなど忘れてしまったような気分です。完成間近の体育館周辺では、丁寧に丁寧に通路の砂を掃き取る方がいらっしゃいました。そのお背中に、深々とお辞儀をさせていただくことも度々ありました。

 松山市教育委員会、工事関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。

  

 すっかり落ち着いた生活ができる3学期、1年を締めくくるにふさわしい3か月になるよう、教職員一同、子どもたちのために力を尽くしたいと思います。

 それでは皆様、よい冬休みを、よいお年をお迎えください。

 

 本日の終業式で、次のような言葉を久枝っ子の皆さんに贈りました。よろしければご覧ください。

 

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【第2学期終業式式辞】

 79日間という長い2学期が終わりました。

 学期始めは、感染予防の観点から人権参観日が中止されましたが、その後は、ほとんどの行事が無事行えたことに、とてもほっとしています。

 体育館の工事もやっと終わり、去年までの学校生活が戻ってきました。いや、新しい南校舎と体育館で勉強できる喜びが加わりましたね。6年生の皆さん中心に、たくさんの作業を手伝ってくれたおかげです。ありがとうございました。

 

 2学期の始業式では、「やればできる」という言葉を贈りました。

 久枝っ子発表会も、陸上総体も、先生たちの大きな研究会もありましたが、それらのどれもが大成功でした。特に、久枝っ子発表会での皆さんの活躍はすばらしかったです。気持ちを一つにして、せりふを言ったり、合唱や合奏をしたりしている皆さんの姿からは、学んだことや練習したことの全てをお客さんに届けようとする気持ちがひしひしと伝わってきて、とても感動しました。発表会当日出られなかった皆さんも、練習を必死に頑張ってきたこと、その成果をリハーサルで存分に発揮したことを、私は知っています。まさに、久枝っ子全員の力で「やればできる」を証明した行事だと思います。

 

 ところで、本当は、何でもかんでも「やればできる」とは限りません。いくらやってもできないこと、というのもたくさんあるのです。けれど、絶対に言えることは「やらずにできるわけがない」ということ。皆さんは、とにかく、まずやってみて、できるようになろうと頑張っていました。結果、できるようにならなかったとしても、頑張ることこそが大切です。これまで頑張ったことが、将来の成功につながる準備になることだってあります。また、その姿は他の人にも元気を与え、感動させるのです。

 これからも、いろいろなことに一生懸命頑張れる人でいてください。

 

 さて、いよいよ明日から、冬休みが始まります。冬休みは、どんなことが楽しみですか?ぜひ、すてきな思い出をたくさん作ってくださいね。

 最後に一つだけ、皆さんにしてほしいことがあります。

 「一年の計は元旦にあり」。一年の計画は、最初の日に立てて始めていきましょう。という意味です。来年、令和5年に頑張ることを、一つでも二つでもこのお正月に決めてほしいと思います。4月に決めたことを続けるのもいいと思いますし、もっと難しいことに挑戦してみよう、レベル1からレベル2に上げてみよう……、何でもかまいません。

 

 では、健康に気を付けて、3学期にまた元気な姿を見せてくださいね。

 

 

 【つどいマラソン帰りの6年生~ピカピカの体育館前で】

久枝っ子発表会を終えて(校長室だより)

2022年12月15日 09時45分

 

 久枝小学校の工事が全て終わり、体育館も美しく生まれ変わりました。そのピカピカの体育館での記念すべき第1回目の久枝っ子発表会は、久枝っ子の皆さんの頑張りのおかげで大成功でした。

 感染予防対策により、本番では、各学年が一堂に会することができなかったため、6年生以外の子に感想を直接届けることができませんでした。この場で、子どもたちへのメッセージを送ろうと思います。

 

【金管バンド部「アルデバラン」「マツケンサンバⅡ」】

 制限が度々あって全体練習も十分にできない中、毎日、朝や昼の少しの時間も含めて一生懸命練習を重ねてきましたね。心を合わせて、テンポも音も合わせて、すばらしい演奏を披露してくれました。サンバのダンス隊が披露したオリジナルのダンスもすてきでした。私も思わず踊りたくなりました。「アルデバラン」は、大好きな朝ドラの感動的なシーンを思い出しました。本当にお疲れ様でした。

 

【1年「まどみちおさんと1年生」】

 まどみちおさんの世界はとても楽しいですよね。誰もがよく知っている歌の中に、まどみちおさんの世界がこんなにたくさんあるということに驚きました。その世界を、みんなの心を合わせて、楽しく優しく歌ってくれました。

 

【3年「モチモチの木」】

 歌声もリコーダーの音色も、とてもすてきでした。何より、みんなで考えたメロディーが、「モチモチの木」の世界にピッタリだったことに感動しています。皆さんの演技や歌声からは、豆太の勇気とじさまの優しさがビンビンと伝わってきました。

 

【5年「輝かせよう三色の虹~ルパン三世・いつだって青空・はじまりの歌~】

 連合音楽会の学校の代表にふさわしい、透き通った歌声ととても心地よいハーモニーでした。合唱の2曲はとても難しい歌だと思いますが、毎日の練習を、本当によく頑張りました。ちょっとだけ指揮をさせてもらったときの気持ちよさと、本番直前にアレンジしたアカペラを聞いたときの鳥肌が立つほどの感動は忘れません。皆さんの美しい合唱は、お客さんの心も動いたことと思います。ルパンもかっこよかったです。

 

【2年 音楽劇「おかしのすきなまほう使い」】

 「みんなで協力すれば、何でもできる!」「仲間っていいな。」「心を一つにするっていいな。」2年生の皆さんからは、とてもすてきなことを教えてもらいました。お目当てのかぼちゃが食べられてよかったね。2年生の皆さん、楽しい音楽劇をありがとう。

 

【4年 発表・斉唱「星影のエール」「パプリカ」】

 4年生の皆さんが「久枝キッズ」(総合的な学習の時間)でこれまで学習してきた、その楽しさや一生懸命さがよく伝わってきました。皆さんの思いや歌声がこの久枝の町の隅々に届いて、楽しく笑顔いっぱいの久枝の町になるといいですね。

 

【6年生 夢への第一歩「365歩のマーチ」「威風堂々」】

 皆さんにとって最後の発表会、最高学年としてあるべき姿はこれだ!というものを、見せてもらいました。合唱や合奏、さすが6年生と感じずにいられません。歌唱の力も演奏の力もすばらしいですが、「全員で合わせる」、すなわち「合唱・合奏」の力は、人の心を動かすほどすてきなものでした。

 4か月後、ここからいなくなるのは寂しいです。純粋に、いつまでもここにいてほしいです。でもその願いはどうしても叶わないから、叶わないならその分、皆さんの旅立ちを、一生懸命応援したいと思います。

 その旅立ちのときまで、皆さんも、今日の発表の「夢」や「前進」というテーマを忘れず、中学校進学に向けて、着実に歩み続けてください。

 

 歌ったり楽器を奏でたりといったことは、人生の中で避けて通ることもできることだと思います。けれど、久枝っ子の皆さんは、音楽に、真っ向から向き合って練習を重ね、歌声も音色も心も合わせて、今日の発表にこじつけました。今の感動や達成感は、避けていては決して味わうことのできない宝物です。その大切なものを得た皆さんに、心から祝福の言葉を贈ります。それから、感謝の言葉も。大きな感動をありがとう。

 

 保護者の皆様、学校関係者の皆様、お休みのところ、この発表会にお越しいただき、昨年度同様、感染予防対策にご協力いただき、誠にありがとうございました。観客の皆様の誘導に携わってくださったPTA役員の皆様にも、重ねて厚くお礼申し上げます。

  様々な制限はまだありますが、学校としても、できる限り、この元気な子どもたちの安心・安全、そして充実感あふれる学校生活の保障に努めてまいります。今後とも、変わらぬご支援、ご協力をいただければ幸いに存じます。どうかよろしくお願い申し上げます。

 

 後になりましたが、保護者の皆様、先日は個別懇談にお越しいただき、誠にありがとうございました。

 

 久枝っ子発表会から少し時間が経ってしまいました。発信が遅れましたこと、お詫び申し上げます。

今年一番の寒さとなりました。どうかご自愛ください。

 

よろしくお願いいたします(校長室だより)

2022年4月25日 08時00分

 令和4年度が始まって、はや1か月が経とうとしています。

 まずは、保護者の皆様には、参観日や家庭訪問の中止により、昨年度同様年度当初からご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。今年度もコロナ禍の中で、子どもたちの健やかな成長のために必要不可欠な教育活動を、どうやって実施していくか、もしくはやむなく中止するかを、探り続けていかなければなりません。そのために保護者や地域の皆様に大きなご負担やご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、何とぞご理解、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

 

 さて、南校舎の大規模改修工事が始まり、入学式・始業式の翌日から毎日工事の音が教室に届いてきます。南校舎の学級は全て中校舎の教室に移転しました。音楽室や図工室、元コンピュータ室など、ロッカーなどの設備が完備されない教室に入った学級があります。オープンスペースを本棚やロッカーで仕切っただけの部屋を教室として使う学級もあります。例年のように落ち着いた環境でのスタートとは決して言えない状況の中ですが、子どもたちは新しい学年、新しいクラスで本当によく頑張っています。

 最高学年になった6年生、「自覚ある行動」とはこういうことだ、と言わんばかりの姿が至るところで見えます。他の学年の皆さんも、学年が一つ上に上がってまだ数週間前しか経っていないのに、何か大きな成長を感じる雰囲気が教室から漂ってきます。

 新入生も、日に日に小学校生活に慣れ、今やたくましさを感じるほど、やるべきことを次々と覚えています。給食も始まりましたが、見事に黙食できています。

 

 全校児童664名で令和4年度がスタートしました。新学年が始まったかと思うと、あと少ししたら、運動会練習が始まります。今年の運動会は5月末。なかなか忙しい学校生活を子どもたちも教師も送っていますが、その分やりがいも感じられるような毎日となるよう、子どもたちとともに頑張ります。

 今年度もどうぞよろしくお願いいたします。