3月に思うこと(校長室だより)
2023年3月4日 17時20分3月になりました。もうすぐ春。朝起きた時電気をつけないと何も見えなかった真っ暗な部屋も、いつの間にかうっすら明るくなっていことに最近気付きました。桜のつぼみも、この頃にはちゃんとふくらんでくるのですよね。
この時期になると、回りの人たちがそれまでより優しくなるような気がしてしまいます。今年もそう。校内を巡回して授業の様子を見ているときも、私の存在に気付いた子の笑顔がさらにすてきであったり、朝の挨拶の声がさらにあたたかかったり。最近一番感じるのは、給食当番の交通整理で立っているときに会釈をしてくれる子どもたちの顔がとてもとても優しいことなのです。
なぜなのでしょう。これまで1年間、仲間とともにいろいろなことを頑張り、辛いことも乗り越えてきた今、その充実感に浸りたい、という気持ちが子どもたちの中に生まれているからでしょうか。いや、中にはそんな気持ちじゃない子だってきっといる。まだまだやり残したことがたくさんあって、それをこなすのに必死で、振り返る暇もまだない子だって。今、まさに苦しい気持ちの絶頂期の子も。ただ、どの子にも共通して言えるのは、「終わりの瞬間」が近いということ。今の教室で、今の仲間たちと過ごす時間はあと3週間しかないという事実です。様々な思いを抱える中、残された時間を穏やかな気持ちで過ごしたいという思いがどの子にもあるからなのかもしれない。だから、みんな優しいのだ。そう思いたいものです。そして、今の忙しさや苦しさは、いつまでもは続かないよ、とその笑顔に伝えたいと思います。
3月、みんな、頑張れ!
ただ、私は、3月の春は嫌いです。教師になってからずっと。誰かと必ず別れないといけないから。これまで数え切れない出会いと別れを繰り返してきましたが、いつまで経っても、人と別れることに慣れません。毎年、それが宿命だと割り切ろうとしますが、もちろんできません。そんな悲しい気持ちを、毎年、癒してくれるのが、子どもたちのこの優しい笑顔なのです。「おセンチ」になっている私の心をもしや察して、慰めの笑顔を贈ってくれているのかもしれませんね。
残り少ない日々、子どもたちのためにやろうと思いついたことは全部やり切れるよう、私も努力します。