~未来へ向かって最高の一歩~(校長室だより)

2023年3月19日 13時00分

 全国各地で桜の開花宣言が発表され始めました。久枝小学校のソメイヨシノも、ついに一輪、花開きました。(3月18日現在)

 

 第2児童クラブ前のヤマザクラはすでに開花宣言を発表してもよいほどにいくつもつぼみがほころんでいましたよ。モクレンはすでに満開。鳥がうれしそうに声を上げていました。

 

 以前紹介した、一鉢だけ咲いていたサクラソウは、今は数え切れない花を集めています。パンジーやビオラ、クリサンセマムやチューリップも、卒業式や入学式に彩りを添える役目に向けて準備万端です。 

 

 さて、去る3月10日(金)、6年生を送る会「6年生ありがとう集会 ~未来へ向かって最高の一歩~」を、4年ぶりに全校児童を体育館に集めて行いました。長い長いトンネルを抜け、何もかもが明るく、まぶしくこの目に映る。まさにそんな幸せなひとときが、ついに帰ってきました。歴史が動いたかのような気分でした!

 

 かつて、準備の大変な全校集会などがあるときは、前日の部活動や夜間体育の活動を控えていただき、教職員が総出で準備をするというのが、いつもの慣わしでした。子どもたちの力を借りて準備した後の最後の仕上げを我々で行うのです。今回、その光景が戻ってきました。教職員みんなが協力して、たくさんの掲示や装飾を行ったり、放送の機材準備やチェックを行ったりしました。

 集会のサブテーマ「未来へ向かって最高の一歩」という言葉が、体育館中央に張ったロープの端から一文字ずつ滑り出てくる、という演出を5年部の先生たちが考えており、その設置や練習も時間をかけて行いました。何度も失敗し、急きょ新しいロープを購入しに走り、ロープのたわみ具合も調節し、試行錯誤を繰り返しました。そして迎えた本番、全校児童の前で、6年生の前で、サブテーマの登場が見事成功したとき、すでに私は泣いていました。

 

 集会本番は、ハプニングの連続でした。タブレット端末の不具合でBGMがかからないトラブル、練習したどおりの演技を披露している各学年の代表児童のせりふが面白いあまり、他学年の子らの歓声にかき消されてしまって6年生に届かない事態の連続。しかし、これら全てが「集会あるある」で、出し物の練習を頑張ってきた各学年の子らや先生方に申し訳ないけれど、残念という気持ちよりも懐かしさの方が大きく、4年前までの記憶が一気によみがえり、例えようのない喜びがこみあげてきて仕方がありませんでした。

 

 集会後の「バルーンリリース」もまた、感動的なものでした。PTA会長様はじめたくさんの皆様のご尽力により、今年も子どもたちにとってかけがえのない思い出ができました。こんなすばらしいイベントをプレゼントしてくださったこと、心からお礼申し上げます。

 リリース前に6年生のそばに行くと、ペンを持っていた子がたくさんいて、どの子も風船に何かを書いていました。それは自分の夢や目標のようでした。そうか、自分の夢を風船に託して、大空へ高く舞い上がらせるのか。そんなすてきな光景を見たからでしょうか、この子らもあと少しで久枝小から飛び立ってしまうという思いも重なり、リリースして何百もの風船がいっせいに青空を彩った瞬間、また涙があふれてきました。

 リリース後の校長からの一言の際、恥も外聞もなく歌いましたが、その理由は、この集会での大きな喜びを含め、いくつもの感動的な出来事がこの日重なったからです。、周囲の迷惑を顧みず歌ってしまったこと、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

 

 「止まない雨はない」「明けない夜はない」

 まだ、終息宣言はされていないから、もちろん油断なく対策を講じていかなければなりませんが、久枝小学校、久枝っ子にとって、3月10日は文字通り「未来へ向かって最高の一歩」であったと思います。これまで3年間、閉ざされた学校生活を強いられた先輩たちの思いを忘れず、この一歩を大切にしていきたいと思います。